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Cover Project Vol.12『Rolling in the Deep』


カバー企画第12弾!
『Rolling in the Deep』- Adele

カバー企画もついに第12弾。各メンバーの選曲がちょうど3巡することになりますが、その締めくくりは今までに無い趣向に。

詳しくは前回動画の最後を見ていただければと思うのですが、ドラマー中村が提出してきたのは何と3曲。その中から残りのメンバーの多数決で決めるという試みながら、協調性の欠片もなく見事に票が割れてしまい・・・・・・
最終的にはボーカル川畑のチョイスに従おうとのことで、選ばれたのが今回の収録曲となるAdeleの『Rolling in the Deep』でした。

ドスの利いた歌

いや、原曲はもうこの感想に尽きます。
いわゆる「失恋ソング」なのですが、弄ばれた男への復讐心を自らの人生を照らす光に変えていかんとする女の意志を力強く歌い上げるAdeleの絶唱。単に悲しみに打ちひしがれたり、「恋した人との思い出を胸に新しい人生を歩み始めよう」なんて健全な前向きさを装ったりとは一線を画す、生々しい激情。

個人的にはコーラス部分の「You’re gonna wish you never had met me.」という歌詞が恐ろしいなと感じました。
「You’ll wish…」じゃないんです、「You’re gonna wish…」なんです!単に男の後悔を確信するだけじゃなく、そこに至るまでの経緯を鮮明に見透かしている感じ。自分がまさに復讐を企てているからこその表現だなあと。
英語表現を教科書的に訳すなら「私になんて会わなければよかったと思うでしょうね」となるのでしょうが、実質的には「私に会ったことを後悔させてやるわ」ぐらいの感じでしょうね。

ただ、単に男への復讐心のみが綴られているのでもない点がこの曲の名曲たる所以。
歌詞における最大のパワーフレーズはやはり、邦訳タイトルに用いられている「We could’ve had it all.」の表現でしょう。「二人ならすべてを手に入れられたはずなのに」という言葉からは、女性が男に対して抱いていた愛が真実であり、彼女自身もそれを偽りなく認めているという心情が窺えます。「どうしてあなたはそう思ってくれなかったのよ!」という悲痛が滲み出ているかのようですね。

復讐心と、真実の愛の残影と。執拗に繰り返される「Rolling in the deep.」というフレーズには矛盾する感情の葛藤の中にもがき、激情の迸りを抑えきれない心の叫びが響きます。
そうした人の業を深く描いた歌だからこそ、今でも多くの人を惹きつけるのでしょう。

さて、講釈が長くなってしまいましたが、そんな名曲にmanulはどう立ち向かったのか!?

▼ 『Rolling in the Deep』カバー ダイジェスト版

どうでしょうか?

明らかに、ボーカル(だけ)が大変ですね。

基本、アメリカン・ポップスの打ち込みは(J-POPと違って!)シンプルなビートやコード進行に徹している場合が多いので、楽器隊は(余計なことをしようとしなければ)そんなに大変じゃないのです。
まあ、どちらかと言えば色々な音を加えることで厚みを出しているために、バンド編成だと再現に限界があるという点に難しさがありますね。少なくとも、鍵盤無しでやるのは無謀というか、薄っぺらさが否めません。
あとはゴスペル風のコーラスも、おっさんたちの微妙な歌唱だと当たり前ながら雰囲気が出せないなあと・・・・・・

そんなハリボテのような演奏をバックに、(英語がわからないとは思えない)見事な歌唱でこの難曲を歌い切ったボーカルの川畑氏に盛大なる拍手を!

なお、動画のフルバージョンはYouTubeのmanul公式チャンネルでご視聴いただけます。
各メンバーの苦闘の果てをご覧いただければ幸いです。

今回の企画に加え、気が向いたらライブ映像なども随時アップしていきますので、面白いと思ったらぜひチャンネル登録お願いします!

▼ manulチャンネル


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